うち執の感想。(ネタバレあり)

なんやかんやで映画『うちの執事が言うことには』が公開して、早一ヶ月…。なんとか落ち着いて感想書けそうなので、うち執の感想を書こうかと。

 

まず初めに、映画の主題歌キンプリの『君にありがとう』めっちゃ映画に合ってた。エンドロールのメイキング映像もほんっとうに良かった。なんかあんな事言っちゃってアホだったなぁと実感しました。

確かにうち執はミステリであるんですけど、悪い人が出てくるゴリゴリのミステリではなくて、犯人は犯人で誰かの事を思って起こしてしまったという様な事件からくるミステリなんですよね。だからどちらかというと私は花穎の成長を描いているところの方が強いなぁと感じました。そしてその事件に立ち向かう時、花穎と衣更月の不本意コンビがどうなっていくかのバディものですね。

だからこそ、この主題歌がとても合っているし、本編の後に流れるメイキングのエンドロールで、キャストの皆さんが仲良くやっている映像がとても素敵だなぁと心が暖かくなりました。

 

とりあえず何度も観たんです。でも初回の時の記憶が本当に無くて…。色々衝撃で。

初めてうち執を観た時はなんかもう、廉くんがスクリーンに映っているっていうのだけでいっぱいいっぱいで、本当に申し訳ないくらい内容頭に入らなくて。

でも2回目でちゃんと理解出来ました。初回、廉くんの衝撃のせいもあったのですが、原作を読んで頭をカッチカチに固めてきたせいもあったのかなぁと個人的に思いました。

芽雛川のお話はほぼほぼそのままだったのですが、赤目さんの話はやっぱり結構原作と違っていて。原作では3巻分なので、そのままやるなんて無理なんですよね。その3巻で沢山の伏線を張っていて、最後に回収する赤目さんの話を2時間でやるのは無理です!でもこの2時間の中でとても上手く赤目さんのお話をまとめたんだなぁと何回も観るうちに実感しました。

映画ってすごい。

当たり前なのですが、原作ありきの映画でも原作を読んでくる人が全員ってわけではなく、初見でもわかるように作られているんですよね。だからこそ一緒に観に行った友人は(原作未読)初見でも話がまとまってて面白かったよーと言っておりました。

 

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まず、花穎様いや廉くんについてなのですが、いや本当に良かった。主演映画が決まった時、めっちゃ不安で、廉くん今までちゃんとして演技経験なんてほぼほぼ無いわけでそんな中での起用。どうなるんだろう大丈夫かなと思っていたのですが、杞憂でした。

確かに最初は演技が気になる点があるかもしれません。ですが、その慣れていないような演技が、留学先から帰ってきて、いきなり当主に命じられ、状況がつかめないながらも自分なりに頑張ろうとする花穎にとてもハマっているなぁと思いました。

演技経験がほぼ無い廉くんだからこそ、いやじゃないと出来なかったのがこの烏丸花穎だったのかなと思いました。多分今の廉くんでもあの烏丸花穎はもう演じる事は出来ないんじゃないかなって。

最後に全部の事件が終わった時の花穎様、ホッとして涙が出ちゃって顔がぐちゃぐちゃになってたけど、一回り大きくなったというか最初の衣更月と出会った時からは着実に、未熟ながら、烏丸家当主として成長しているように見えました。(順撮りではないと思いますが…)

廉くん初号を観た時は自分の演技が気になりすぎて、やり直したい!ってすごい言っていたらしいけど、いやあのままで良いよ…!

あの未熟さや初々しさ、当主にならなければいけなくなり、しっかりしないととしていながらも、ふと見せる表情はやはりまだ18歳の少年であどけなくて愛くるしい…。

度々、花穎様はわがままな事を言うんだけど、それがただのわがままではなくて、いきなりあんな状況になってしまった事へのプレッシャーというか臆病になってしまったからであってほ、そう見えるのはきっと廉くんがもつ繊細なところとか誰からも愛される容姿や雰囲気もあるからなのかなぁと。

あと色んな雑誌のインタビューでも言っていた食事のシーン。そんなに言うほどかな〜と思っていたのですが、結構あるんですね食事シーンが。こりゃ大変や。でもどれも違和感なく綺麗なテーブルマナーでした。しかもとっても美味しそうに食べるのが良いなぁと。

ネクタイや雪倉の一件で、少しずつ生まれていた衣更月との信頼関係が一気に崩れてしまうところでの廉くんの表情も本当に凄かった。どこにぶつければいいかわからない、怒りよりも悲しみのような感情。衣更月にぶつけても肯定するわけでも否定するわけでもない、ただその言葉を受け入れるだけ。でもそれは衣更月が優秀な執事ゆえなんだよな…。でもその事が花穎にとっては悲しくて、悔しくて、衣更月の部屋から出て行ってしまう。

仲違いしてしまう2人だけども、2人とも別々の場所で同じ謎を解明することに向かっていくのがなんともバディものっぽくて良かったな〜。

赤目さんの取り乱した姿を見てなんて言葉をかけたら…ってなってるところで、衣更月の紅茶を飲み、心を落ち着かせるシーンもとても良かった。

最後の執務室でのシーンで花穎様が泣きじゃくるシーンは、もう感情が溢れてきて止まらなくなってしまった花穎様にしか見えなかった。

烏丸花穎役は永瀬廉くんしかいない。

 

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次に、衣更月なのですが…いやめっちゃ人間味溢れる衣更月!というか表情豊かだしデレ?なの?あれは衣更月のデレなのか?かわいいって思いました。率直な感想だと。

なんか原作の小説や漫画を読んでいると最初の頃、衣更月ってあんまり感情を表してないイメージというか…クールで優秀な執事というイメージが強かったのです。そして実写化では、ミルクティー色の髪色は黒かったりと色々違うところがあったんですが(でもこれはリアリティを出す為との理由)

どうなるんだろうと思っていたんですが、動いている衣更月を見ると、なるほど衣更月だって思いました。すんごいしっくりくるんですよね、すごいなぁ。

最初は確かにずっと仏頂面で、でも花穎に対して不満とかがあったりすると眉毛で感情を表したり…。

この眉毛がポイントなんですが、清原さんめっちゃ眉毛が動くのです。この事を公開記念舞台挨拶で神尾さんが言っていて、清原さん自身も自分で見た時、眉毛全剃りしたくなったと言われるほどのようで…かわいいのです、はい。

芽雛川の一件があり、少しずつ信頼関係を築いていく花穎と如更月。こっからは衣更月さん花穎様に向ける表情も柔らかいというか優しいというか、笑顔が素敵…衣更月のデレはしんどい…と思いました。清原さんが演じる衣更月が本当に良いなぁって、表情とかのさじ加減が抜群だなぁって色んなところで感じました。

雪倉の件で衣更月が街に出て情報収集しているシーンはとても意外でした。衣更月といえば、知らない事は何もないというイメージでしたし(というか烏丸家に関わる人間は誰でも基本的に三世代前まで遡って調査していたような)、もしその人間のせいで烏丸家に危険が及ぶことがあり、それを防ぐ為なら犯罪も厭わないレベルの人間のような気がしていたので。でもここで頑張っているところがある事で、ただの仏頂面の執事ではない、内面の部分を描いているのだと思ったらなるほどなぁと思いました!原作1話である、衣更月がブチ切れるシーンがないので、中々衣更月の内面の部分て描かれていなかったので。

赤目さんの件への入り口は別々なのに、同じ答えに向かっていくのが、バディものっぽく、しっかりミステリ要素もあり良いなぁと思いました。

 

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赤目さんは原作と一番イメージが違いました。原作では徐々に着実に花穎に近づいていくような烏丸家に入り込んでいくような感じに私には見えていたので、赤目さんの登場ってミステリアスな感じ?と思っていました。だから最初の出会いのシーンで抱きつくのは意外でした。

でもそれは3巻分のお話があるからこそできることなんですよね。その時間がないからこそのあの赤目さんだったのかなと思うと納得でした。最初に花穎と出会うシーンで、抱きつくのはそこで一気に距離を詰めるためなんだなぁと。

何度も見ると、赤目さんの行動や言動は全て作戦だったんだなぁって分かりますし。だから何度も見ることをオススメします。

 

他のキャラクターも本当に皆さん良くて…!書き出したらキリがないくらいです!

映画オリジナルキャラクターの雪倉美優はこの映画で欠かせないキャラクターですし、この子がいないとおそらく円滑に物語進んでないよね!ありがとうございます!そしてやっぱり若い女の子がいると華があって良い!

峻くんは、もう峻くん〜って感じです、本当に。 お母さんの大事な職場だから迷惑をかけないように頑張ろうと、テンパりながらも一生懸命なところが可愛らしいですし、応援してしまいたくなる。そこに映画限定のお兄ちゃんというキャラクターがとても良いなって…!雪倉兄弟のやりとりはとてもほっこりします。

そして何といってもお母さんと一緒で、花穎様が大好きで心配で仕方ない感じが伝わってきて…!

脇を固めているベテラン俳優の方々はもう言わずもがな素晴らしい。少ないシーンでもしっかりと印象を残していく。

 

とにかく素晴らしい作品でした。廉くんの初主演映画がこの作品で本当に良かったなぁと。とても暖かい現場で撮影された、見終わった後にとても心温まる作品でした。

 

もう上映している劇場も少なくなってきましたが、まだ観ていない方がいらっしゃいましたら、是非一度観にいってみてください…!!

 

 

昨年の廉くんにしかこの花穎様は演じられないと思ったけど、逆に今の廉くんにも是非烏丸花穎役を演じてみてほしいなぁとも思った。

デビューして一年、連ドラも経験した廉くんが改めて烏丸花穎役を演じるとどうなるのか。それこそ素敵な原作があるのだから深夜ドラマとかでまたやって頂きたい。皆さん続投で是非お願いします。